- 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料は、計画的な訪問薬剤管理指導とは別に、在宅療養を担う保険医(または連携する保険医)の求めで緊急に患家を訪問し、指導して文書で報告したときの指導料です。点数は、計画的な訪問の対象疾患の急変に伴うもの(1)が500点、それ以外(2)が200点です。
- 回数は、1・2と服薬管理指導料の「4のハ」を合わせて月4回までです。末期の悪性腫瘍の患者と注射による麻薬の投与が必要な患者は、原則として月8回までです。
点数と区分(区分15の2)
| 区分 | 場面 | 点数 |
|---|---|---|
| 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料 1 | 計画的な訪問薬剤管理指導に係る疾患の急変に伴うものの場合 | 500点 |
| 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料 2 | 1以外の場合 | 200点 |
| (参考)在宅患者緊急時等共同指導料(区分15の3) | 別の区分。急変時の共同指導に係るもの | 700点 |
1と2の違いを、留意事項通知は次のように説明しています。1は、その患者の計画的な訪問薬剤管理指導の対象疾患の変化等に関する訪問です。2は、計画的な訪問薬剤管理指導の対象になっていない疾患の変化等に関する訪問です。
出典: 厚生労働省 調剤点数表(区分15の2)、同 留意事項通知(区分15の2の(3)・(4))(確認日 2026-10-31)。
算定できる場面
点数表の注1は、算定できる場面を次のように定めています。
- 訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の薬剤師が行うこと すでに訪問薬剤管理指導を行っている患者への対応が前提です。
- 在宅で療養し、通院が困難な患者の状態の急変等に伴うこと 留意事項通知は「状態の変化等に伴い」と書いています。
- 保険医の求めがあること 患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医、またはその保険医療機関と連携する他の保険医療機関の保険医の求めによります。
- 計画的な訪問とは別に、緊急に患家を訪問すること 通知は「予め定めた訪問の計画以外で患家を訪問」と書いています。
- 患者・家族等に必要な指導等を行い、保険医に文書で情報提供すること 通知は、訪問結果の情報提供を文書で行った場合に算定するとしています。
連携する他の保険医の求めで訪問したときは、その保険医に加えて、患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医にも文書で情報提供します。連携する他の保険医の氏名と医療機関名は、担当医に確認して薬学的管理指導計画書等に記載します(通知の(6))。
情報通信機器を用いて指導したときは、この指導料は算定できず、服薬管理指導料の「4のハ」を算定します(通知の(5))。
出典: 上と同じ点数表(注1)と留意事項通知(区分15の2の(1)・(3)〜(6))(確認日 2026-10-31)。
算定の回数(月4回、月8回)
| 患者 | 回数の上限 |
|---|---|
| 一般の患者 | 1・2と服薬管理指導料の「4のハ」を合わせて月4回 |
| 末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者 | 原則として月8回 |
月8回を超えて算定できるのは、特に医療上の必要があり、保険医の発行した処方箋に基づくときに限られます。その場合は、保険医からの指示内容や訪問が必要になった患者の容態等について必要な薬学的分析を行って薬剤服用歴等に記載し、訪問が必要だった理由を調剤報酬明細書の摘要欄に簡潔に記載します(通知の(2))。
出典: 点数表の注1、留意事項通知の(1)・(2)(確認日 2026-10-31)。
薬剤服用歴等に記載する事項
通知は、薬学管理料の通則(4)の記載事項に加えて、少なくとも次の事項を記載するよう求めています((8))。
- 訪問の実施日、訪問した保険薬剤師の氏名
- 保険医から予め定めた訪問の計画以外の要請があった日付、要請の内容、要請に基づき訪問薬剤管理指導を実施した旨
- 訪問で実施した薬学的管理指導の内容(服薬状況、副作用、相互作用等に関する確認等を含む)
- 保険医に提供した訪問結果に関する情報の要点
出典: 留意事項通知(区分15の2の(8))(確認日 2026-10-31)。
麻薬管理指導加算(100点)
点数表の注2は、麻薬の投薬が行われている患者に対して、麻薬の使用に関する服用・保管の状況、副作用の有無等を患者またはその家族等に確認し、必要な指導等を行った場合の麻薬管理指導加算を、1回につき100点としています。同じ注3に、在宅で医療用麻薬持続注射療法を行っている患者に対する在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算(施設基準の届出が必要、1回につき250点)があります。
通知は、麻薬管理指導加算を、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料が算定されていない場合は算定できないとしています((9)のイ)。麻薬管理指導加算の記載事項は、(8)の事項に加えて、麻薬に係る薬学的管理指導の内容、患者・家族への指導の要点、保険医に提供した情報の要点です。
出典: 点数表の注2・注3、留意事項通知の(9)(確認日 2026-10-31)。
在宅薬学総合体制加算との関係
留意事項通知は、在宅薬学総合体制加算を、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料または居宅療養管理指導費等を算定する患者等が提出する処方箋を受け付けて調剤を行った場合に算定できるとしています。緊急訪問薬剤管理指導料を算定する患者は、この加算の対象となる患者に含まれます。
加算の点数と施設基準は在宅薬学総合体制加算の点数と施設基準、計画的な訪問の見直しは在宅患者訪問薬剤管理指導料の見直しにあります。自局の届出は名簿の入手先と形式で確かめられます。
出典: 留意事項通知(調剤基本料の項 9 在宅薬学総合体制加算の(1))(確認日 2026-10-31)。
確認していないこと
点数表の注9には、1を算定する場合で、末期の悪性腫瘍の患者または注射による麻薬の投与が必要な患者に、保険医の求めで開局時間以外に緊急訪問したときの加算(夜間400点、休日600点、深夜1,000点)があります(出典: 上と同じ点数表、確認日 2026-10-31)。
この区分を算定できない薬局の条件(点数表の注1の後段)、距離の制限、乳幼児加算など他の加算との併算定は、このページでは扱っていません。算定の可否は、点数表・通知の原文と管轄の厚生局に確認してください。
よくある質問
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の点数はいくらですか。
計画的な訪問薬剤管理指導に係る疾患の急変に伴う場合の1が500点、1以外の2が200点です(調剤点数表 区分15の2)。
月に何回まで算定できますか。
1・2と服薬管理指導料の「4のハ」を合わせて月4回までです。末期の悪性腫瘍の患者と注射による麻薬の投与が必要な患者は、原則として月8回までです。
薬剤師の判断だけで緊急訪問したときも算定できますか。
点数表の注1は、保険医の求めによる訪問を算定の場面としています。求めの日付と内容は薬剤服用歴等に記載します。
訪問せずオンラインで指導したときは算定できますか。
情報通信機器を用いた指導は、この指導料ではなく服薬管理指導料の「4のハ」を算定します(通知の(5))。