在宅患者訪問薬剤管理指導料の見直し(令和8年度改定)

確認日 2026-10-22

  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定間隔が「中6日以上」から「週1回」に変わり、夜間休日の連絡体制の整備が要件に加わりました。
  • 訪問薬剤管理医師同時指導料(150点、6月に1回)と、複数名薬剤管理指導訪問料(300点)が新設されました。

背景:薬局薬剤師による在宅訪問の促進

令和8年度の改定概要は、「薬局薬剤師による在宅患者訪問薬剤管理指導の促進」として、医師と薬剤師が患家へ同時訪問した場合の評価の新設、在宅訪問薬剤管理指導料の算定間隔の見直し、複数名で訪問した場合の評価の新設を挙げています。在宅患者オンライン薬剤管理指導料と服薬管理指導料の一本化も、調剤報酬の簡素化として同じ改定に含まれます。

出典: 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」(確認日 2026-10-22)。

3つの見直しの一覧

項目内容点数
在宅患者訪問薬剤管理指導料の見直し算定間隔を「中6日以上」から「週1回」に見直し、夜間休日の連絡体制の整備を要件に追加(点数の変更は改定概要の該当ページに記載なし)
訪問薬剤管理医師同時指導料(新設)医師と薬剤師が患家へ同時訪問した場合の評価。6月に1回に限り算定150点
複数名薬剤管理指導訪問料(新設)行動面での運動興奮等がみられる状態の患者への訪問で、他の者と同時に複数名で訪問した場合の評価300点

算定間隔の見直しと夜間休日の連絡体制

改定概要の算定要件(通知)の新旧は次のとおりです。

現行改定後
算定の間隔薬剤管理指導料を合わせて月2回以上算定する場合は、算定する日の間隔は6日以上在宅患者訪問薬剤管理指導料および服薬管理指導料「4のロ」を合わせて月2回以上算定する場合の算定回数は、週1回を限度とする
例外末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者、中心静脈栄養法の対象患者は、在宅患者オンライン薬剤管理指導料と合わせて週2回かつ月8回に限り算定同じ3区分の患者は、服薬管理指導料「4のロ」と合わせて週2回かつ月8回に限り算定
夜間休日の連絡体制(新設)(13)として、当該保険薬局または在宅協力薬局との連携により、休日・夜間を含む開局時間外でも調剤および訪問薬剤管理指導に対応できるよう、原則として初回の訪問薬剤管理指導時に(記載事項に変更があった場合はその都度)、連絡がとれる連絡先電話番号や緊急時の注意事項等を、事前に患者またはその家族等に説明のうえ、文書(薬袋への記載を含む)で交付すること

やむを得ない事由により、患者またはその家族等からの電話等による問い合わせに応じることができなかった場合は、速やかに折り返しの連絡を行うこととされています。

訪問薬剤管理医師同時指導料(150点)

在宅医療におけるポリファーマシー対策及び残薬対策を推進する観点から、医師および薬剤師による患家への同時訪問を評価する点数です。

項目内容
算定要件在宅での療養を行っている通院が困難な患者に対して、患者の同意を得て、在宅患者訪問薬剤管理指導または居宅療養管理指導を実施している保険薬剤師が、訪問診療を実施している保険医療機関の保険医と同時に訪問し、薬学的管理及び指導を行った場合に、6月に1回に限り算定
保険医所属する保険医療機関において在宅時医学総合管理料を算定する当該患家の患者の主治医
算定対象患者在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者(単一建物診療患者が1人の場合)、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料を算定している患者(単一建物居住者が1人の場合に限る)、居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行う場合に限り、単一建物居住者が1人の場合に限る)を算定している患者

医師による初回の訪問診療時に同時訪問して共同指導を行うことは可能ですが、この指導料の算定は、医師により当該患者について在宅時医学総合管理料が算定されたことを保険医療機関に確認した後に行います(疑義解釈資料(その9)、令和8年6月26日)。

複数名薬剤管理指導訪問料(300点)

項目内容
対象患者通院が困難な患者のうち、医師が複数名訪問の必要性があると認めるもの
算定要件在宅での療養を行っている通院が困難な患者に対して、訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師が、患者またはその家族等の同意を得て、当該保険薬局または在宅協力薬局に勤務する職員とともに複数名で訪問したうえで、必要な薬学的管理及び指導を行った場合に算定
算定対象患者在宅患者訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料を算定している患者(単一建物診療患者が1人の場合に限る)、居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行う場合に限り、単一建物居住者が1人の場合に限る)を算定している患者

「複数名訪問の必要性」は、薬剤師が訪問するうえでの利便性に基づく理由ではなく、患者が興奮または攻撃性を示すこと等により、薬剤師単独での訪問では指導の実施が担保できないおそれがある場合など、指導の安全かつ確実な実施を確保する観点から判断されます(改定概要の注記)。

確認していないこと

在宅患者訪問薬剤管理指導料そのものの点数(650点など)の令和8年度の扱いは、改定概要の該当ページでは確認していません。通知の原文と疑義解釈の最新版は、厚生労働省のページで確認してください。

よくある質問

在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定間隔は、どう変わりましたか。

改定概要では、「中6日以上」から「週1回」に見直されました。在宅患者訪問薬剤管理指導料と服薬管理指導料「4のロ」を合わせて月2回以上算定する場合は、週1回が限度です。

夜間休日の連絡体制は何を求められますか。

原則として初回の訪問薬剤管理指導時に、連絡がとれる電話番号や緊急時の注意事項等を、患者またはその家族等に説明のうえ、文書で交付します(薬袋への記載を含む)。記載事項に変更があった場合はその都度です。

訪問薬剤管理医師同時指導料は何回算定できますか。

6月に1回に限り算定できます。点数は150点で、医師と薬剤師が患家へ同時訪問した場合の評価です。

複数名で訪問すれば、必ず算定できますか。

いいえ。複数名訪問の必要性は、患者が興奮または攻撃性を示すこと等により、薬剤師単独での訪問では指導の安全かつ確実な実施が担保できないおそれがある場合などで判断されます。利便性に基づく理由は該当しません。